2011年09月の税務ニュース
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平成23年度税制改正(その2)
前月に引き続き23年度税制改正の内容をご紹介します。
年金所得者の申告不要制度の創設
平成23年分から公的年金等(国民年金、厚生年金、共済年金、企業年金など)の収入金額が400万円以下で、その年中のその他の所得金額(収入から費用を差し引いた金額)が20万円以下の人は、確定申告書を提出する必要がなくなります。
寄附金税制の拡充
平成23年から個人が、一定の団体(公益社団法人及び公益財団法人、学校法人等、社会福祉法人、更生保護法人、特定認定非営利活動法人)に対し寄附をした場合には、確定申告で税額控除の適用を受けることができるようになります。
計算方法
その年中に支出した寄附金の額の合計額(その年分の所得金額の100分の40を限度)から2,000円を差し引いた金額の100分の40(その年分の所得税額の100分の25を限度)
例)
給与400万円(所得税10万円)の人が10万円を寄附した場合
①支出した寄附金 10万円
②限度額 266万円(給与所得控除後の所得金額)×40%=1,064,000円
③ ①≦② ∴10万円
④税額控除の計算(10万円-2千円)×40%=39,200円
⑤限度額 10万円×25%=25,000円
⑥ ④>⑤ ∴25,000円…所得税から控除される金額
住民税とあわせると税額控除額は、最大で寄附した金額の約50%に相当することになります。
住宅取得等資金の範囲拡充
『直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置(平成23年の非課税枠は1,000万円)』および『特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例措置』の制度の対象となる住宅取得等資金の範囲に、住宅の新築に先行して土地を取得する場合のその土地の取得のための資金を追加することになりました。
改正前は、土地を先行取得する場合は建築条件付の場合のみが対象となりましたが、今回の改正では、建築条件等がない土地の取得でも対象となります。しかし、贈与を受けた年の翌年の3月15日までに建築され居住することが必要なのは今までどおりです。
この改正は平成23年1月1日以後の贈与から適用されます。